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「……雨宮さんなんでいないんですかあ…」
あのあと亀スピード以下の全力疾走でスーパーまで走り、雨宮さんを探したのにぜんぜんいなかった。
そして、せっかくスーパーに来たんだからと買いものをしてしまうのがわたし。
おかげで今日の夜ご飯は雨宮さんからもらった野菜も入れて、トマトパスタを作ることになったわけだけど。
スーパーの外に出ればもう夕方だ…。
「はぁ……もう途中から隣人さんのことなんて忘れてたよ…」
とぼとぼと歩きながら、五分間の道。
通りかかった公園の時計を確認すれば、団地を飛び出してからもう二時間経ってるじゃないか。
「はぁ………、ん?」
二度目のため息をついたとき、カーディガンのポケットに入ってたスマホが鳴った気が…。
表示されてる名前は、お父さん。
話さなくても分かる。これは心配性電話だ。
「もしもし、お父さん?」
『こはちゃんー!そうだよっ』
「ふ、…ふふっ」
いや、そうなんだけど。
思わず声に出ちゃうくらい笑ってしまった。
『なんだかこはちゃん、楽しそうだね!』
「そうかな?……あ、今日いつものドラマの日だねっ」
『えっ……わあ、ほんとだ!パパも録画してるよ〜』

