お隣さんでしょうか




なんていうぽわぽわした妄想を抱えながら帰路について、

途切れることのないドキドキにない頭をフル活動させて。


……てゆうか日向くん、ぜったい帰り道わかってた、気がするんですが…?

普通にとなり歩いてたし…。



「……」



もしかすると、気遣ってくれたの?

わたしが照れて焦りすぎてたから、歩み寄ってくれたの…?


……なんて、自意識過剰かもしれないけど。



「家に絆創膏あったっけ」

「でも、もう血止まってるよ?」

「いや…、なくても探す」

「、そっか…?」



なくても探すってどうゆう…?

よく分からないけど、そんな会話をしながら日向くんが306号室の扉を開ける。


………と。





──────どさーーー。





「………え、」



日向くんが扉を開けると共になだれ落ちてきた段ボール五個の中身。

当の本人はびっくりして固まってる。

中身が出てないのが救いだね。

それにしてもなんで玄関先に段ボールを置いたのかが気になる。


ほんの少し見えた部屋は布団のないベットとテレビだけが見えて。

まだまだ生活感ないなって。
いや、そりゃ、今日越してきたばっかりか。



「……ごめん有栖さん、絆創膏ないかも」

「大丈夫だよ、本気にしてないから」

「え”っ」

「それにもうぜんぜん痛くない!」



手のひらをグーパーグーパーして見せれば、たぶん、絆創膏がなくて落ち込んでる日向くん。



「なんで日向くんががっかりしてるの」

「……いや、繋いでたのに離したの寂しいなって。ね?」



………いや、…ん?


効果音を付けるなら完璧にコチーーン。わたしは凍らされたみたいに固まっちゃった。

しかも、わたしの真似っこみたいに骨張った手をグーパーグーパーさせてくる、し…。