真奈美と住むようになって一週間が過ぎた。そんな日曜日。「なあ、真奈美。ちょっと出かけないか?」「稔さんと?」「他にいないだろう?ちょっと行きたい所があってな。」「何処に?」「着けば分かるさ。」車を走らせる中、「ねぇ、稔さんの仕事って何?」「その内分かるさ。」「今知りたい。」「ダメ。」「って言うか、今まで仕事してたんだ?」「どんな風に思ってた?」「いかにも、無職のフリーターみたいだなって。最初会ったとき、スーツ着てたけど面接帰りみたいだったし。」「確かにスーツ姿は、似合わないけど、心外だな。」そんな話をしていると目的地に着いた。そこは、真奈美のご両親の墓の前。手をは合わせ、水をかけて。車に戻ると、「私のお父さんとお母さんのお墓参りだったんだ。」「まあな。お礼と報告と約束しないといけなかったから。」「約束?」「大人になるまで守りますって。」「いつまで?」「そう遠くない未来さ。二十歳になるまで。」「まだまだ先だよ。」「すぐだよ。経験者だし。さて、もう一つ行きたい所あるけど良いかな?」「うん。」車を走らせ、市街へ、車を停める。「ここから、少し歩くから。」そう言って、俺は、森へ入っていく。真奈美も着いてくるが、「道があるって言ったけど獣道じゃない!」「まあ、そうだな。」さ「他に道無いの?」「多分無い。」歩き続けること二十分。「着いた。」そこは、芝生で敷き詰められた丘だ。真ん中にベンチがある。そこから見える景色は、海。「わぁ、何ここ?すごく綺麗。」「あまり前に行くなよ。そっちは、崖だから。」「ねぇ、なんて言う場所?」「星降り丘。」「星降り丘?」「俺の一番好きな場所。」俺は腕時計を見て、「そろそろだな。」「何が?」俺は何も言わず、指で上を指す。丁度、夕方のオレンジ色と夜の紫色が交わろうとしている。夕方と夜の境目。「綺麗。幻想的。」「だろ?けど、もう少ししたら。」言葉が遮られ、「流れ星!初めて見た。」俺の方を向いて「稔さん!見た?流れ星!凄い綺麗だったけど、一瞬で消えちゃった。」残念そうに、言う。「真奈美、まだ流れるから上見てろ。」真奈美が上を見ながら「流石に、2回は・・・。」次の瞬間、また流れ星。「ほらな?まだくるかもしれないよ。」