ちょっと大人だからって、ずるい。




「みーくん?」



少し緊張…いや、かなり緊張して呼んだ為、ちょっとだけ声が震えた。



”女子高生しりもち事件”だなんてどうでも良いというように腕を組み、窓の外を見ていたみーくんが、私の言葉に反応してゆっくりと振り向く。


綺麗な黒い瞳。


長いまつ毛。


少し気だるそうなオーラ。


眉をひそめてじっとわたしを見つめ、唇に手を当てる。



その仕草に、なんとも言えない懐かしい気持ちが込み上げ、胸が熱くなった。



昔と変わってない。
考えるときの、みーくんの癖だ。




「え、…遥香?」



少し考えた後、驚いたような声でみーくんは私の名前を呼んだ。


聞き覚えのある声とは少し違う。


けれど、間違いなく



「あ、やっぱりみーくんだ!久しぶり!」



久々の再会。



嬉しくなって笑顔で左手を上げ、久しぶりのポーズをとると
時が止まったかのように3人の男性が固まった。