ちょっと大人だからって、ずるい。



「きみ、大丈夫?」



ふと、反対側から優しい声音が聞こえた。


金髪男の対面に座る黒髪の男性。


まるで女神のように優しい笑みを浮かべ、私に手を差し伸べている。



「あ、…ありがとう」



そうそうこれこれ。


これが正解なのよ。



「怪我してない?」

「大丈夫です」



差し伸べられた手に手を伸ばし、ゆっくりと立ち上がる。


4人が座るテーブルの上に目をやると、飲み物しか注文されておらず、
何かを食べに来たというわけではなさそうだった。



「?…僕たちに、何か用?」



なかなか立ち去ろうとしない私に、問いかける黒髪紳士。