七瀬家のご令嬢である以上、何事も1位でなければならない。



幼い頃からそう、教わってきた。



何でもできるのが当たり前。


勉強も、音楽も、美術も、運動も。


全て、努力して手に入れてきた。



しかし、世間ではこう言われる。



――七瀬さんは”才能あふれる”うらやましい存在。



才能なんかじゃない。ずっと努力してきたのだ。


そう叫びたい気持ちを、ずっとこらえて生きてきた。


けれど今、朱莉という存在が私を理解してくれている。



…そして昔は……”みーくん”が理解者でいてくれたのだ。