ちょっと大人だからって、ずるい。



そんな冷たい空気を、湊都も纏っていたわけで。



「あ、」



どこへ行くの?

今、何を考えているの?

どうして久しぶりって言って、笑ってくれないの?




言いたかったことはすべて「あ」という一文字になって私の口から出た。



しかし湊都は、そんな私に気付かなかったのか

はたまた無視したのか





「遥香?大丈夫?」


気が付いた時には、朱莉が目の前でポテトを食べていた。


先ほどまで熱々だったはずのポテトは冷え切っているらしく
パクパクと口に運ぶ朱莉。



「…あれっ?今何時?」

「もー20時だよ」

「ま、まじ!?ヤバっ!明日のテスト勉強何もしてない!」

「”みーくん”に会ってからずっとぼーっとしてたもんね」


窓の外をみると、すっかり暗くなっている。


本当にぼーっとしていたみたいだ。