アスミルセカイ


自然と溢れる涙。
「新葉先生?」
はっ、と後ろを向くと、
「春谷先生…、いえ、あのこれは」

「さっきの方ですか?」

「ああ、僕の…。忘れられなかった人です。さっきからは違いますけど。すみません。かっこのつかない所をお見せして」

「そうなんですか、あ。」
春谷は、ハンカチを差し出してきた。

「え、あの。悪いですよ」

「いえ。こんなことしかできなくてすいません。余計な詮索はしない方がいいと思いまして。返して頂かなくて結構ですから。私は新葉先生、かっこいいと思いますよ」


別れと出会いは突然。