「新葉先生、会場テント設置と、トラックの整備完了しました」 「あ、春谷先生。ありがとうございます」 俺は、新葉光希(38)、教師をしている。 未だ独身。 「もう保護者来てますね、少しですけど」 「まだ早いですからね」 (あれ、ペットボトルが転がって来てる…?) 「あああ!まって、ペットボトルが転がってく!」 「ばか、お前走るなって!」 「これ、あなたのです…か?…っ」 知ってるんだ、君の顔。 「はい、ありがとうございま…、あれ。あ!光希くん!」 忘れようとしていた、忘れたはずなのに。