玄関にそのまま向かうと、立花さんが私を見るなり、笑顔になる。
「ごめんね、突然」
そういって、いつもと変わらない立花さん。
「あ、いえ。なんですか?」
「ちょっと、來花ちゃんに見せたいものがあってね。少し外出れる?」
「……はい、大丈夫ですけど」
私はそう言って、玄関にかけてあった自分のコートを羽織った。
すると、お母さんがリビングから出てきて、私と同じようにコートを羽織る。
「ん?お母さんも?」
私はそう、立花さんに問うと、立花さんは首を縦に動かした。
「なんでしょうね、見せたいものって」
満面の笑みを立花さんに向けていた。
「行ってからのお楽しみということで。ついてきてください」
そういって、我が家の玄関を出ていく立花さん。
私とお母さんは、そんな立花さんの後に続き、玄関を出た。
そして、立花さんが足を止めたところは、隣の小池家の中庭だった。
そしてそこには……。
「あ、来た来た、來花、お母さんこっちこっち」
中庭に4つ並べられていたキャンプ用の椅子。
そのうちの2つにはすでに姉ちゃんと、渉さんが座っていた。
姉ちゃんは私たちが来たことに気づくなり、私たちに手を振り、自分たちと同じようにこの椅子に座れと促してくる。
私たちは促されるまま、用意されてあった椅子に腰かけた。
そこで、私たちの後ろからやってきた、直哉とケントさん。
ついさっきのことがあって、まともに顔なんて見られなかった。
「揃ったみたいだな」
ケントさんが私たちを見るなりそう言った。
「じゃ、はじめようか。直哉、セッティング終わってるよな」
立花さんが、そういうと、直哉はポケットからスマートフォンを取り出した。
「当たり前。じゃ、椅子からはみんな決して立ち上がらないように」
直哉がそう言葉を言い終えた瞬間、私たちより少し前の、地面に置かれたプロジェクターが起動したのがわかった。


