私は1人ベットの上でうずくまっていた。
今泣けない理由も、こんなに苦しい理由も、私はもうなんとなくわかっていた。
誰にも言えない秘密を抱えている私。
誰に相談できなくて、自分の胸に押し込めることを強いられてるこの状態。
お父さんはあの時言っていた。
『大人になったら、甘えられる人を見つけなさい』と。
こんな時、どうすればいい、お父さん。
一番甘えたい人をやっと見つけたのに。
なのに、私が今もし感情を爆発させたら、その人をきっと私は困らせてしまう。
そんなことをしたって、彼はきっと、自分の道をまっすぐ行ってしまうだろう。
そんな人だ。
長年彼には嘘をつかれてきたけれど、一度言ったことは決して曲げないところは、本物だろうと思うから。
「來花」
1階からお母さんが私を呼ぶ声が聞こえる。
もう夕食の時間だろうか。
夕食なんて、今のどを通る気がしない。
今日はいらない。
そう答えようとした時だった。
「立花さん、来てるんだけど」
立花さん?
一体私に何の用だろうか。
もしかしてさっきのことについて、何か聞きたいことでもあるのだろうか。
立花さんがわざわざ1人でやってくることなんて、初めてだった。
よほど大事な何かを伝えに来たのだろう。
私は、気が進まないながらも、重い腰をゆっくりとあげ、1階へ降りていく。


