『來花へ。
元気に毎日を送っていますか。
お父さんは今天国にいます。
こっちで元気にやってるから安心してください。
お母さんとお姉ちゃんと仲良くやっていますか。
家族を大切にして過ごしてください。
來花にはこんなことわざわざ言わなくてもわかってるよな。
來花は、生まれた時から小さくて、よく笑う子だった。
お前は名前の通り、未来に花を咲かせるような人になるんだろう。
お父さんはその様子を晩酌でもしながらゆっくり眺めるとするよ。
焦らなくていい、來花のペースでゆっくりと育てていけばいいからな。
お父さんは1つお前を心配していることがあるんだ。
お母さんも今薄々感じているころなんだと思うが。
人の気持ちに敏感なお前は、きっと、お父さんが亡くなったとしても、悲しむ顔は一切見せないんじゃないかって。
お母さんやお姉ちゃんがお前のことを心配しないように、お前はその小さな体で耐えてるんじゃないかって。
それだけがすごく心配でたまらない。
だから、悲しい時は、思いっきり泣いて、わらいた時は思いっきり泣きなさい。
きっと、それが來花。
お前にとっての切り替えのスイッチになるだろうから。
まだまだお前は子どもだ。
大人に甘えられるだけ甘えればいい。
大人になったら、甘えられる人を見つけなさい。
少しお父さんはさみしいけど、ここで耐えるとするよ。
そして、これが最後になるな。
來花、私たちの子どもとして生まれてきてくれてありがとう。
お父さんは來花のお父さんで幸せでした。
じゃあ、元気でな。
お父さんより』
ああ。
そういうことか。
私の目には大粒の涙があふれてきていた。
そして安心した。
やっと泣ける。
そう思った。
私はその夜、ベットでわんわんないた。
その次の日は言うまでもなく、目が真っ赤に腫れ上がり、姉ちゃんに大笑いされたことは言うまでもない。
それからだ、いつもみたいに、些細なことで笑えるようになった。
泣けるようになった。


