また逢う日まで、さよならは言わないで。




協力してくれたのは、來花の姉の花蓮さんだった。


來花が男に遊ばれているようだという話をすると、即座に協力を了解してくれた。しかも、少し、楽しそうだった。



「それで?私何すればいいの?」



大学生になった花蓮さんを講義帰りに、俺の家に呼び出し、二人で作戦会議を開いている時だった。



妹の來花と違って、大人の色気がある花蓮さん。


スタイルも申し分ない。


そんなスタイルと相まって顔立ちも大人っぽい。



俺の仕入れた情報だと、今來花と付き合っているあの彼氏は、本当は年上が好みだと聞いた。


花蓮さんでぴったりだ。



「この男を誘惑してほしいんだけど」



俺は花蓮さんの前に1枚の写真をだした。花蓮さんはその写真を手に取ってじっとみつめる。



「ふーん、これが來花の彼氏ね……。來花の彼氏にしてはなんかぱっとしないわね。どこにでもいそうな顔してるし。性格も、直哉君から聞いた分にはくそみたいな性格してるしね。これは、もう、直哉君の言う通り、お仕置きが必要ね」



そういって、花蓮さんは意地悪に口角をあげた。



笑った顔はやはり姉妹だ。


雰囲気が來花と似ている気がした。



「そう言ってくれると思ってた」


「それで、具体的にどうやって私はこのくそ男を誘惑すればいいわけ?」


「彼のバイト先を調べてある。はいこれ、地図ね。市立図書館近くのコンビニでバイトしてるみたいだから、そこをうまく声かけて、誘惑してほしいんだけど」


「なるほどね。じゃ、この先は私に任せなさい。こんなガキ一匹ちょろいもんよ。落としたら連絡するわ」


「流石」


「ってかさ、私ずっと気になってたんだけど、直哉は來花のこと何とも思ってないの?」


「何ともって?」



本当はこの時分かってた。何を花蓮さんが俺に聞きたいのか。


だけど、俺はもう、この想いは一生この世界の住人には口にはしないとここに残ると決めた時に決めていた。



「まあ、いいわ。じゃ、私もう家に帰るから。直哉、夕食どうせうちで食べていくんでしょ?來花はたぶん自分の部屋にいるわよ」



俺が答える気がないと悟ったのか、花蓮さんは、荷物をまとめだした。



「今日はいいや。おばさんにも謝っといて」


「そう、わかった。じゃ、またね」



花蓮さんは、そういって足早に俺の家を出ていった。