「広瀬」

私は自分の教室にいて、咲と話していたら根岸くんが来て、私を呼んでいた。

「なに?」

私は根岸くんに返事をして、彼を見た。

「これ、見て」

根岸くんはニヤニヤした表情で、私の机に置いて私に言ってきた。

「ファン限定CD」

私は目を輝かせて、根岸くんを目を丸くして見た。

「そう。勝ち取った!」

根岸くんはブイっとピースをして、笑って言っていた。

「うおー、すごい!うおー」

私は立ち上がり、CDを持って、上に掲げた。

本当にレア物だ。

ファン限定CDはレアのレアで、年に一回しか発売されない。

「だよな。僕もすごいびっくりしたよ。一番に千花に見せたくて」

根岸くんはニコニコとした表情で私に話しかけてくる。

こういう根岸くんを私は見るのが好きだ。
私もそういう感情があるから、分かる。

私は珍しく素で笑った。

すると、咲と根岸くんは目を丸くして私を見ていた。

「どうした?」

咲は驚いた様子で私を見て、聞いてきた。

「え?何が?」

私はいつものトーンで咲たちに返答する。

「珍しく、ちゃんと笑ってる」

咲は私に指をさして、瞬きせずに聞いてきた。

「え?そうかな」

私は首を傾げた。

咲と同じように、根岸くんは驚いていた。

「え?根岸くんも」

私は咲の隣にいた根岸くんはずっと私を見つめていた。

「いや、驚くよ。あんな笑顔。めったに見られないし」

根岸くんは左肩に右手をつけて、下を見たり私を交互に見ていた。

「根岸。顔赤い」

咲は黒目だけ動かして、根岸くんを見ていた。

「はあ?!」

私は根岸くんを見たら、確かに顔を真っ赤にしていた。

根岸くんは照れたように、見るなよと言ってから咲が根岸くんを弄っていた。

相変わらず、仲がいいのか仲が悪いのか。