元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

「去年の春、覚えてる?俺と一回会ってるんだよ」

西原凌は、頭をかいてから空き教室にある窓の方に行き、外を見つめていた。

まだ、お昼時間ということから、
校庭で遊んでいる人が楽しくサッカーしていたり、鬼ごっこをしていたり、一人で本を読んでいる人など、一人ひとり自由にお昼時間を堪能していた。

「去年の春?」

私も西原凌の隣に行き、窓の外を見つめた。

「そう。去年の春、俺が道に迷っていた時、唯一声をかけてきたのは、千花だったよ。その後、おばあちゃんに声かけられて話しながら、荷物もって笑顔で送っていたでしょ」

西原凌は外を見つめて、私に話をしながら自分の担任を見つけて指をさし、笑っていた。

「え?あの時の」

私は窓の外から隣にいた西原凌を視線をうつす。

「思い出した?」

西原凌は、首を傾げてから私の目をガン見してきた。

あの時のって。
私は去年の春、道を迷った男性に声をかけた覚えがある。

そして、おばあちゃんに声をかけた。

その男性が西原凌だったのか。
あの時は、金髪じゃなかった気がする。

だから、普通に声をかけたんだ。