元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

「ダメ?」

私はさっきほどより早く断る。
しかし、西原凌は諦めない。
じっーと私を見てから、ある提案をしてきた。

食堂にいる近くにいた生徒たちは、私たちの様子を伺っているのか前かがみになって、
会話を聞こうとしていた。 

「じゃあ、これでどう?俺のこと凌って呼んだらで!」

西原凌は、周りがよく見えていない。
逆に敢えて見ていないのかと思ってしまう。

だが、多分違う。
ただ単に興味がないだけだ。

私は西原凌をチラリと視線を向けると、頬杖をついて西原凌は、ニンマリと笑顔で私に言う。

その笑顔を見た瞬間、私はガタッと椅子から立ち上がった。

「ダメって言ったらダメー!」

私は食べたものを食堂の配膳に置き、咲たちを置いて食堂から走るように去っていた。

残された二人は、少し黙ったあと、咲が西原凌に話しかける。

「なんで、千花なの。ヤンキーくんは怖いけど割と顔整ってるでしょ。ほら、あの子達なんてあんたのこと見てるでしょ。前は怖がられていた存在が、今は隠れ人気者」

こちらを見ている生徒たちを指差しながら、
咲は西原凌に話しかける。

「金髪だからか怖がられてるが、人気になったって別にどうでもいい。千花には感謝しかないから」

西原凌は口角を上げて、思い出したかのように咲に言う。