元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

「えーと、これ美味しいね。さすが食堂のおばあちゃん」

咲は空気を読んで、私と西原凌に発した。
食堂にいる生徒たちは、ザワザワと騒ぐ声がする中、チラッと私たちを見ていた。

やはり、私と咲が西原凌といるのが不思議に思っているのだろう。

私も周囲の生徒たちと同じで、なんで西原凌といるのかが分からない。

「ああ、そうっすね」

西原凌は咲に同意しながら、返事をしていた。

「……美味しい」

私は一言発した。
本当のことだから、言葉にしたけど。
この空気になんだか耐えられなくなってきた。

「あとは、これがやっぱり美味しいよね。切り干し大根」

咲は目の前にあるメニューを指差して、話を盛り上げようとしてくれた。

「そうっすね。あ、でもこれもいいよ。美味しいし」

西原凌は咲に返事をしてから、自分のおかずを指差して言った。

「そうなんだ。私も今度食べようと。千花は?」

咲はへぇーと何かを納得するかのように返事をして、私に話の話題を振ってきた。