元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

「そうだけど。それが何?」

西原凌本人は自覚していないだろうが睨む目は、ヤンキーそのもの。

クラスメイトはコソコソと話をしながら、怖がっていた。

ある女子クラスメイトは、こんなことを言っていた。

西原凌ってあんな奴だっけ?
もっと怖い感じだったよね。
前は結構話しかけるなオーラ出てたのに。

と女子クラスメイトが言っているのが聞こえた。

私は前のドアに行ったが、耳を澄ますと、大きい声ではないが耳に入ってきた。

知りたくもないのに、西原凌情報を知ってしまう。

女子クラスメイトから聞いた話とは明らかに今とかけ離れていたので想像が出来ない。

それが本当に西原凌なら、その部分も彼自身の中にあるのか。

私は自分の頭の中で思考を巡らせる。

「千花ちゃんはみんなのもの。お前なんか敵だー」

ファンクラブ共一人がそう叫んだ後、教室から去っていた。その他のフアンクラブ四人は、待ってよーと言って、後を追うようにどこかへ行った。

すると、西原凌は黙って去ろうとしていたので、私は声をかける。

「えーと……」

私は西原凌に声をかけるが、なんと言ったらいいか分からず言葉に詰まる。

私の教室では、クラスメイトは気にしないフリをしているが、チラチラと私たちを見てきた。

こっちは、分かってるから見るならみろよと思ってしまう。

私は前に向こうとしていた西原凌に話しかけ、西原凌の様子を伺う。