元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

「はい!やめやめ!千花困ってるから。はい、戻って」 

両手で咲はシッシッとたくさん人がいた中を追い払ってくれた。

男子クラスメイトはチッと舌打ちをしてから、咲の言葉で立ち去った。

「…ありがとう!咲」

私は咲に抱きつき、笑みを浮かべた。
いつもは素っ気ない返事をしている私だが、
咲には私らしさを出せる。

「いえいえ。んで、何があったの?いつもハッキリと言う千花が珍しいしね」

咲は自分の席に着いて、私の方を向き直して言った。

私はキッパリと言ったつもりだが、咲から見ればハッキリ言っていなかったらしい。

「…あはは。ヤンキーくんとどうしたらいいかわからない」

私も自分の椅子に座ってから、咲の方を向いて苦笑いを浮かべ、咲に言う。

「ツンデレな千花がここまで素直にさせるとは恐るべし西原凌」

咲は少し私を見た後、うーんと考え込んでから声を発した。