元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

「千花。いつもと雰囲気違うよね」

西原凌は顎を手にあて、じっーとまばたきもせずに私を見てきた。

「…気のせいじゃない」

私は目を逸らして、どこかを見つめる。
ほんとに気のせいである。
特に何も変わりばえはないし、何も変えてはいない。

「そうかな?どれどれ」

西原凌が私の顔に近づき、西原凌の手が私のおでこをくっつけた。

何も変えていないというのに、この至近距離。

あざとい。男子なのに、ヤンキーなのに。
ううと思いながら、私は目を逸らしていた。

「…っな」

私は逸らした目を少しだけ西原凌の目を見て、顔を赤くした。

「大丈夫だね。じゃあ、また!」

すぐ西原凌は私から離れてから、右手を上げて去っていた。