なにがいけなかったんだ。
千花が言っていたのは、俺のことがよく分からないと大きい声で叫んでいた。
千花にとって、俺は友達にしか見えないと言っていたが、もしかして、意識しているのか?
いやいや、それはない。
友達以下に思われているのかもしれない。
俺は両腕を組んで、千花の言動を思い出していた。
今日はいつもより、可愛くて髪もサラサラしていて、綺麗だった。
学校の時と私生活で会う千花は、同じなんだけど、雰囲気がなんか違う。
今日は学校よりも笑ったり、悲しそうにしたりして、喜怒哀楽がはっきり見えた。
千花がいろんな感情を出してくれるのは嬉しかった。
だから、千花のもっと近くにいたくて、手を繋いだり、ほっぺをつまんだりした。
俺は家に戻ろうとして、歩き始めた。
それがいけなかったのか。
あー、わからない。
どうしたら……
すると、俺の携帯からプルプルと鳴った。
俊二からだった。
「はい、なに?」
俺は冷めた声で電話を出た。
「なんだなんかあったのか?暗い声して」
俊二はすぐ俺の声でなにかあったことに気づいた。
さすが、昔から知っている仲間だけある。
「まあ、うん。あったことはあったかな」
俺は曖昧な返事で答えた。
「やっぱな。なんかあったんだろうなとは思ってたけど、そういうことな」
俊二は納得したようにうんうんと頷いて、俺に言う。
「なんだよ」
俺は俊二に聞く。


