「はあ?え?急に」
私は頬を赤らめさせて、西原を見る。
すると、西原は私のほっぺたをつまんできた。
「可愛いのお仕置きの刑」
西原は目尻をシワに寄せて、私に笑いかけて言ってきた。
「…なにそれ。やめで。痛いよ」
私はいーっとほっぺをつまんで、西原に言う。
「あ、ごめん。つい、千花が可愛くて」
西原は私に言われると、パァッと手を離して真正面を向いた。
私は顔が赤くなり、下に俯いていた。
周りの人もいるのに、なんで恥ずかしくないの。
チラッと周りを見渡すと、学生たちがガン見していた。
私は目を逸らして右側に向くと、西原が私に気づき、聞いてきた。
「どうしたの?」
西原は首を傾げて、私に聞いてきた。
細い目をして、最初は怖い印象にしか見えなかったのに。
今は笑っている姿は誰にでもときめく要素を持っている。
ズルすぎる。ほんと。
私は目を大きくして、西原をじっと見つめていた。
私も負けず、目を逸らさず、西原を見つめた。
数分後
「あ、負けたわ。千花。目大きいから。あ、もう始まりそうだね」
西原は私の方から真正面に向き直して、優しい声で言う。
その声に、私は胸をギュッとした。
苦しいような切ないような。
胸が熱くなる。
私は息を整えてから、西原に返事をした。
「そうだね」
私は返事だけをして、顔を両手に当てた。
ほんと、なんなの。
これ、やられると好きになっちゃうよ。


