「千花が聞いたように俺も聞きたいことがある」
西原は嬉しいのかよく分からないが、あははと笑ってから、私に聞いてきた。
「…うん。そうだね。いいよ、何?」
私は西原の言っていることは正しいと思った。
私だって、西原に聞きたいことはある。
だから、西原の言っていることに賛成するしかない。
「……仲のいい男子とかいるの?」
西原は数分黙ってから、戸惑いながら私に聞いた。
「え?あー、え?いるよ。ほら、根岸くん」
私は思ってもみなかった質問に目を丸くした。
「あー、根岸くん」
西原はやっぱりと小さい声でボソッと私に言って、根岸くんと呼んだ。
「そう。あとはいないね。仲のいい男子は」
私はうんうんと答えて、西原に言う。
「…そうだよね。根岸くんとは仲良いよね」
西原は声のトーンをいつもより低めにして、私に言ってきた。
「…うん。なんでそんなこと?仲のいい男子といえば、根岸くんしかいないし」
私は分からなかった。
仲のいい男子は、根岸くんしかいない。
だけど、他にいない。
「…いや、特に意味はないよ。でも、千花。根岸くんと仲良くなったきっかけとかあるの?」
「あー、うん。前までは全然話したことなかったけど」
私は学校用のカバンを整理しながら、西原に言う。


