「だったら、なんで悲しい顔してるの?」
私は眉を下げていると、根岸くんはまた私に反論してくる。
本当に違う、違うよ。
私は顔を手で覆いながら、西原のこの気持ちを否定した。
違う、違う。違うよ。そんなことない。
「ち、ちがうから」
考えても考えても、私は分からなかった。
私が悲しい顔をしてる。
はあ?なんであいつが出てくるの。
違う、こんな感情は恋じゃない。
「そしたら、頭の中は誰でいっぱいになってるんだ?」
私の前に立ちつくしている根岸くんは私に聞いてきた。
私はその答えにすぐ返せなかった。
だって、頭の中は、西原の喜怒哀楽な表情がフラッシュバッグで出てくる。
なんで、こんなに。
「千花」
咲は私の名前を呼んで、私を見てくる。
フアンクラブ共の一人と根岸くんは私を眺めて、私の顔色を伺っていた。


