「驚くわ。それでなんでいるの?」

咲はフアンクラブ共の一人に適切なツッコミを入れた。また、フアンクラブ共の一人だけが来た。

最近、四人でいるところを見ない。
と私は思いながら、フアンクラブ共の一人を見る。

「聞き捨てならないことを小耳に挟んで。千佳殿は西原凌のことどう思ってるのだ?」

フアンクラブ共の一人は、眼鏡をくいっとあげて、かすかに目がキラリと光っていた。

私は苦笑いを浮かべて、ファンクラブ共の一人を見る。

だって、そんなの答えようがない。
答えたら、大きな噂になるだけだ。

「…はあ?何いきなり」

私は少し嫌な顔をして、フアンクラブ共の一人に言う。

もちろん私は答える訳がない。

「千佳殿が西原凌とデートしたと聞いて。僕は千佳殿に問いたい?どうなんですか?」

フアンクラブ共の一人が前かがみになって、私に聞いてくる。

私だって聞きたいよ、自分の本心が分からないから。

ファンクラブ共の一人と目を逸らして、私はポツリと呟く。

「…デートじゃないから!たまたまクーポン券があったからで」

そんな気持ちを隠しながらも、私はフアンクラブ共の一人に言い放つ。