千花に元ヤンキーだと伝えた。
千花は、ただ変わりなく俺に接してくれた。
それが、とてつもなく嬉しかった。
千花と別れたあと、俺は家にいて、自分の部屋のベットに横になっていた。
すると、ブゥブゥと携帯のバイブ音が自分の机から鳴り響く。
それは、学校で唯一の友達の俊二(しゅんじ)からだった。
「はい。なに?」
俺は通話ボタンを押して俊二に返事をした。
「なにじゃないよ。こないだから連絡してんのに」
俊二はキレ気味に俺に言う。
「あー、うん」
俺は適当に返事をして、答える。
「それで、噂になってるけど。広瀬千花のこと好きなんだって」
俊二はため息をついてから、俺に言う。
「ああ、好きだよ」
俺は俊二に素直に答えた。
「お前が恋するとはね」
ニヤニヤした声で俺に言ってくる。
俊二は俺の元ヤンキー仲間だが、イメチェンして俺と関わることは少なくなっていた。
だから、久しぶりに話をする。
「好きになったから仕方ないだろ」
俺はベッドから立ち上がり、俊二に言う。
「まあ、入学する前から好きだったしな。まさか、ほんとに初恋の人に会うとか思わなかったけど」
俊二は思い出したかのように俺に言う。
「それはそうだよな。俺もびっくりしたわ。まさかと」
俺は髪を右手でぐしゃぐしゃにして、少し微笑み、声を発した。
「そうだよな。んで、広瀬千花とどうなの?」
俊二は頷きながら、俺に聞いてきた。
「好きだって気持ちはいつも伝えてる」
俺はそう言うと、俊二は少し声を変えて、俺に話しかけてきた。