スクラップ

たどり着いた場所は
近くの空き地だった。

敵だと思ってた
明菜と一緒の男は
空き地に着くと

「樹梨ちゃん?俺覚えてるかあ?」
と話し掛けてきた。
どことなく見覚えがある顔と、
この大阪弁風でも大阪弁
じゃない独特のしゃべり方。

タケにぃと。。。
ヒロにぃだ。。。


「弘樹君だよね?」
「ピンポーーン大正解!」
ハイテンションで叫ぶ。
「やっぱ樹梨は頭いいなぁ」
「なんでぇ?」
「この馬鹿女俺のコト気づかんかったで?」
馬鹿女・・・
そう言われた女は
明菜だった。

「ひ、ひ、弘樹君。。。」
悲しそうな顔で呟いた
明菜。
「裏切ったの・・・。」
そう呟くと
明菜の頬に
涙が流れた。
少しずつだったそれは
明菜のメイクが
落ちてしまうほどになった。