きみのへたっぴな溺愛

まあ、実際に心臓が飛び出たらホラーゲーム以上の怖さだし、あるはずないだろ。
と、セルフツッコミをしたところで、テレビの中のゾンビと目が合った。

こわっ…て思いながら、「いや、待てよ?」と思い直す。


最初から考えよう。

星野さんはお見舞いに来てくれた。
ご丁寧にプリンやゼリーを持って。
可愛いうえに良い子だ。

そんな彼女を家に上げて、俺はホラーゲームを始めた。


…え、怖い。

普通はお菓子とかを食べてお喋りしたりする…よな?

それなのにホラーゲームって…。


星野さんからしたら、ゾンビよりホラーゲームを始める男(つまり俺)の方が怖くないか…?

男の家にふたりきり。+ゾンビって…。
とんでもない恐怖体験を彼女にさせてしまった。

謝らないと…。

それなのに“すき”と言うなんて。 

何に対してのすきかは分からないが、やっぱり良い子でかわいい。


パニックを起こした脳は結局、『星野衣織ちゃんは可愛くて、良い子。良い子で可愛い』という結果を導き出す。


そんな時、ブーブーとテーブルの上にあるスマホが鳴った。