きみのへたっぴな溺愛

「なんか、すごい……」

「うん。映像がリアルだしね。…あ、そこのドア開けれるよ?」

「え、開けるの…?」



テレビから遥斗くんに視線を移すと、もちろんと言うように頷かれる。


「がんばって」


と言われても。これってドアを開けたらバーンみたいな感じだよね?



「緊張する…」

「大丈夫だよ」


どこか余裕そうに微笑む遥斗くんにドクンドクンと動悸が激しくなる。

まさか、コレが吊り橋効果というもの……?
なんて考える余裕は、私にはなくて。

えいっ、とボタンを押した。


「…」


薄目で画面を見つめる。

開いた扉の先には、また暗がりが広がっていた。

ガサガサと、進む足音だけが響く。

ひとまずホッと息をついた次の瞬間。