きみのへたっぴな溺愛

「なんだ…サボり…ふふっ」

「笑われた…」

「ごめっ、なんか…おかしくて」


兎にも角にも、遥斗くんが元気でよかった。

自然と緊張が溶けるのと同時に、左手のものを思い出す。


「あっ、これ…。せっかくだから」

「えっ、ごめん…」


差し出したビニール袋を彼はおずおずと受け取った。

中を見て「あっ」と声を上げる。


「プリンだ…」

「うん。夏生くんが好きだって教えてくれて」

「ありがとう。…そうだ、お茶でも出すね。適当に座ってて」

「あ、ありがとう…」


…じゃあ、と。お言葉に甘えてソファーにちょこんと腰をかける。
 

キッチンに向かった遥斗くんを視界に入れながら、さりげなくリビングを見渡す。

白を基調としたテーブルや椅子。
テレビにソファーにローテーブル…。

シンプルで綺麗なここが…遥斗くんのお家。

改めてそう思うと、心臓がざわざわと騒ぎだす。