視線を動かした遥斗くんが「水瀬くん」と呟いた。

私も外を見ると、まだ隼人と茶髪の子が突っ立っていた。

ふたりとも雨に濡れている。

なにしているのか、ひとつも分からない。


…そう言えば、遥斗くんと隼人は友達になったのかな?

忘れかけていたそれを思い出す。

チラリと遥斗くんに目をやると、じぃーっと隼人を見ていた。

その横顔はかっこいい…。そして少し険しい。

きっと友達になれなかったんだ。 

遥斗くん、気にすることないよ。ってテレパシーを送っていたら、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り響く。

自分の席に戻る遥斗くんを見つめながら、ふぅ。と小さく息をはきだした。