ぼーっとしながら、窓の外を見る休み時間。

気付けば6月中旬。

今朝のニュースで『久しぶりに晴れるでしょう』と聞いた。

お天気お姉さんのその言葉は残念ながら外れている。


雲行きが怪しいと思った途端に、ポツポツと雨が降り出した。

下に視線を落とすと、目に入ったのは隼人の姿。

自身に降りかかる小雨を気にすることなく、堂々と歩いている。

移動教室なのだろうな。と思っていれば、後ろから茶髪の男の子が走り寄って行くのが見えた。


ふたりは立ち止まる。

隼人って友達いるんだ…なんて、ちょっと失礼なことを思った。


「あ、雨降ってる」


聞こえてきた声に顔を動かすと、パチっと。
そばに立つ遥斗くんと目が合った。



「ね…。さっき降ってきた。今日は晴れると思ったのに」


外はもう見ずにそう言えば、「雨きらい?」と遥斗くんに聞かれる。


「うーん。あんまり好きじゃないかも。髪の毛とか湿気で大変だし…」

「そっか。星野さんの髪、ふわふわしていて可愛いけど」



口の端を控えめに持ち上げて、微笑まれる。