きみのへたっぴな溺愛

「手伝って…くれるの?」

「うん。ひとりだと大変でしょ?」

「ありがとう…」


胸がジーンと熱くなるのを感じながら、遥斗くんを見上げる。

心なしか目頭もあつくなった。

すると遥斗くんは焦ったように「あー、待って」と口を開いた。


「そうじゃなくて、俺が手伝いたいから。だから、気にしないで…って言うか…」

「ありがとう。嬉しい」

「…うん。何すればいい?」

「あ、じゃあ。ここの本を、こっちの段ボールに、一緒に仕舞いましょう…」

「りょーかい。任せて」


遥斗くんはすぐ、本に手を伸ばして動き始める。

本当に手伝ってくれるんだ。
…って彼に目を奪われつつ、私も手を動かした。


「俺、図書室来たの初めて」

「私も」

「そう?なんか勝手に、星野さんって本好きそうだと思ってた」

「あっ…うん。読書は好きかも…」


頷きながら、テキパキと本を移動させる。


「そっか。どんなの読むの?」

「うーん……ファンタジーとかが多いかな」

「そうなんだ」

「遥斗くんは?」

「俺は読むとしたら、ほとんど漫画かな」