「いいのか…?」
「はい」
今日の放課後は用事もないし、掃除くらいならどうってことない。
「助かる!実は明日から点検とか入るから、どうしても今日、本の整理したくて」
パチンと。田中先生は顔の前で手を合わせて、頭を下げる。
「わかりました」と頷けば、ヘラッとした笑顔と「ありがとう」の言葉が返ってきた。
*
「雨止まないねー」
「梅雨だからね」
お昼休み。
お弁当を食べ終えた未緒とまりやが窓の外を見る。
今日から6月。テレビの中で、お天気お姉さんが「例年よりも早い梅雨入り」だと言っていた。
暗い空を見ていると、憂鬱な気分に誘われる。
…それもそうだ。
1時間目にあった席替えでは、またしても遥斗くんと遠くなってしまった。
私は窓際の1番後ろ。
遥斗くんは廊下側の1番後ろ。
縦一直線が横一直線になっただけで、少しも近くの席になれなかった。
これだと、授業中に遥斗くんを見ることも叶わない。
顔を真横に向けるわけにはいかないし…って、考えを振り払うようにブンブンと首を横にふる。
「はい」
今日の放課後は用事もないし、掃除くらいならどうってことない。
「助かる!実は明日から点検とか入るから、どうしても今日、本の整理したくて」
パチンと。田中先生は顔の前で手を合わせて、頭を下げる。
「わかりました」と頷けば、ヘラッとした笑顔と「ありがとう」の言葉が返ってきた。
*
「雨止まないねー」
「梅雨だからね」
お昼休み。
お弁当を食べ終えた未緒とまりやが窓の外を見る。
今日から6月。テレビの中で、お天気お姉さんが「例年よりも早い梅雨入り」だと言っていた。
暗い空を見ていると、憂鬱な気分に誘われる。
…それもそうだ。
1時間目にあった席替えでは、またしても遥斗くんと遠くなってしまった。
私は窓際の1番後ろ。
遥斗くんは廊下側の1番後ろ。
縦一直線が横一直線になっただけで、少しも近くの席になれなかった。
これだと、授業中に遥斗くんを見ることも叶わない。
顔を真横に向けるわけにはいかないし…って、考えを振り払うようにブンブンと首を横にふる。