「ははっ、素直だなあ。助かるけど」


そのまま歩き出した遥斗くんの横に並んで、ホッと息をつく。

…そっかあ。なんだ。
校長先生のスピーチとスカートは短い方がいいって言うけど、違うんだね。


短いスカートもそれなりに気分が上がるけど。

今のままなら怒られる心配もないし、遥斗くんの好きな長さだし。

一石二鳥じゃないか。と、うんうんと心の中で頷く。


遥斗くんが職員室に数学のノートを提出したあと、ふたり並んで高校を出た。

彼は自転車を押して、私のペースに合わせて歩いてくれる。


こうして高校から一緒に帰るのは初めてかも。

並んで歩くのは何回目かだけど、全然慣れなくて、隣をチラチラと見てはドキドキする。


嬉しさと緊張の板挟み。

そんな私をよそに、遥斗くんは田中先生や夏生くんのモノマネも披露してくれたから、家に着くまでずっと笑っていた。