「どういう子がタイプ?」

「タイプ?」


私を見た遥斗くんが首を傾げる。


「そうだなあ…」


彼は「うーん」と考え込むように俯く。

目の前を通っていく車たちを何台かぼんやりと見ていたら、彼が私を見る気配がした。

ばっちり視線が重なる。



「道に迷ってる人を自ら案内できるような、優しい子」

「優しい子…」


目を細めて小さく首を縦に振った遥斗くん。


「…そっか」


定番の返しだけど、当たり前だよね。



「わかった?」

「わかった……」


やっぱり、性格の良い子が好きなんだ。

よし。外見だけじゃなくて、中身も磨かないと…って心に決める。


「鈍感だなぁ……」


頑張ろう!とひっそり意気込む私は、ポツリと落とされた言葉を拾えなかった。