「あれは絶対ヤキモチだね」


にやっと。あやしく笑うまりやは可愛い。
…じゃなくて。


「ヤキモチ…?」


ますます言っていることがわからなくて、首を傾げる。



「そのうちわかると思うよ」

「…そう?」

「うん。ねぇ、他にも聞いてもいい?」



首を縦に振れば、嬉しそうに「ありがとう」と言われる。


「衣織って、化粧水とか何使ってるの…?」

「え…?」

「すっごい肌綺麗だから。実は前から気になってたんだよね」

「あ、ありがとう…」


てっきり遥斗くんの話題が続くと思ったから、急に褒められて驚いた。

化粧水なんだっけ?と頭を働かせる。


「薬局で500円くらいのを使ってる。どこのだったかな……」

「白いパッケージのやつ?」

「そうそう」

「今度試してみる!ありがとう」


満足そうに頷いた彼女は、やっぱり同性の私から見ても可愛いと思うのが止まらなくて。

その秘密を知りたいと思った。


「まりやはどんなの使ってるの?」

「んっとねー、あたしはー…」


それからはメイクの話に花が咲いて、まりやのオススメやこだわりに耳を傾ける。

そうしているうちに、可愛くなりたいという気持ちがふつふつと湧いてきた。