「じゃあ、また」


ゆっくり歩いていたつもりだけど、あっという間にマンションの中。


「おやすみ」

「おやすみなさい…」


そう言ってお互いの家に入る。

ガチャリと鍵を閉めれば、名残惜しさがドッと湧いてくる。

遥斗くんといると、嬉しくて、緊張して、少し恥ずかしくて…。 

上手に振る舞えないのに、もっとずっと一緒にいたくなる。

…だけど、告白する勇気はない。

だって、振られてしまったら…?
 
フルフルと頭を振った。


…よし、お風呂に入ろう。

十分にあったまってから、布団に潜れば今度は眠気におそわれる。

その時、ブーと枕元に置いたスマホが振動した。

閉じた目を開いて、それに手を伸ばす。


〈新着メッセージ2件〉


誰からだろう。
そう思いながらメッセージアプリを開くと、“望月遥斗”…って。

脳が一気に覚醒して、考えるよりはやく指が動いた。