「それよりさ、ずっと気になってたんだけど」


彩香がグラスをテーブルに置いて前のめりになる。


「ふたりとも彼氏いるの?」

「えっ…と…」


先に反応を示したのは私。

ガールズトークの鉄板、恋バナ。
って、いつもはウキウキするけど今日は…。

動揺を隠さずに未緒を見る。

私と目が合った彼女は涼しい顔で「いないよ」と一言。


「私も!いない…」


「「えー」」と口を揃えた真由と彩香は、ふたりして目を丸くして。


「意外だねー」

「うん。超モテそう」


と、未緒と私を交互に見た。

確かに未緒はモテると思う…けど、ひとまず口を閉じる。



「そういうふたりは?彼氏いるっけ?」


未緒の言葉に「あーうん」と頷いたのは真由で「私はいなーい」と口を尖らせたのは彩香。


「真由彼氏いるんだ。この学校の人?」

「ううん、他校。中学の同級生で」

「そうなんだ。じゃあ長いの?」

「もうすぐ3年かな」

「えっ、長い」


未緒と真由の会話を聞く。

3年目ってすごいなあ…と驚いたのも束の間。