「球技大会お疲れさまでしたっ。カンパーーイ」

「「「カンパーイ」」」


夏生くんの大きな声のあとに、みんなの声が重なった。

一斉にグラスを持ち上げれば、カチンと音がする。


駅前のカラオケ屋。時間は夜の7時。


『球技大会の打ち上げやりまーす』って宣言されたのは中間テストが終わってすぐのこと。

幹事の夏生くんが『当日のテンションのままやるっしょ?』と言って計画してくれた。

だから、みんな開始早々盛り上がっている。


「いやあ、まじで俺ら大健闘だったな?」
「学年3位はすごくね?」
「ハイハーイ。1曲目オレ歌いまーす」



笑い声に溢れる室内をぐるりと見渡す。

さっそくマイクとマラカスやタンバリンを手に立ち上がる男の子たちや、それを見て呆れたように笑う女の子たち。

いまこの場にいるのは28人。
1年C組は36人だから、おおよそクラスの8割がいることになる。

夏生くんも『なかなかの参加率じゃん!』って嬉しそうにしていた。