「そ、そうだね、うん。球技大会負けられないなあ……はは」

「遥斗くんは何に出るの?」

「俺はバスケ。星野さんは?」

「私もバスケ」


一緒なことを嬉しく思う。
単純な私のやる気パロメーターがグンと上がった。


「遥斗くんのバスケ姿楽しみ…」


思わず本音がもれる。


「………いや、俺運動苦手だよ…」

「そうなの?」

「うん。だからあんまり期待しないで」

「そっか…」


頷く。期待しないでと言われると、ますます期待してしまうのは内緒。

それに、運動が苦手なところも可愛いって思っちゃう。

どうしたってワクワクする。



「星野さん」

「ん?」


「…水瀬くんのこと好き…?」
「わっ」


突然ビューっと強い風が吹いた。
あまりの強さに目を瞑る。


「ごめん、聞こえなかった…」


暴れた前髪を押さえながら、遥斗くんを見上げた。


「…球技大会頑張ろうねって言っただけ」


にこっと遥斗くんが微笑む。
それだけで、どこまでも頑張れると思った。