正確にはこれからするところです…と心の中だけで付け足した。


「夜ご飯一緒に食べようと思ってて…」

「あら。そうなの。じゃあ衣織ちゃん、ウチで食べて行ってね」

「あ、ありがとうございます」


進んでいく遥斗くんと絵美子さんの会話に相槌を打って、その言葉に甘えることにする。

隆史さんは終始ニコニコしていて「ごゆっくり」と声をかけてくれた。



「ごめんね」と、遥斗くんの部屋に足を踏み入れるや否や、彼に謝られる。


「ううん。むしろ私の方こそ…」

「全然。あの人たちに気とか遣わないで平気だからね」


そう言われても…と思うけど、優しく笑う遥斗くんに「ありがとう」と返した。


それからは計画通り遥斗くんと宿題を進めて。

相変わらず心臓がうるさかったけど、1人で勉強する何倍も楽しかった。



あっという間に夜になり、絵美子さんお手製の和食をご馳走になる。

遥斗くんと明るい絵美子さんと朗らかな隆史さん。

3人と一緒に囲ませてもらった食卓は、陽だまりに包まれるみたいにあたたかいものだった。