「ブローはどうする？暑いから結わいたりする？」

「あっ、じゃあ…ポニーテールのアレンジとかあったら…教えて欲しいです」

「おっけーおっけー」


私のお願いにジュンさんは快く頷いて、早速髪の毛をいじり始めた。


「ここの、横のさ、髪の毛を少し残しておくと後れ毛がいい感じになるんだよね」

「なるほど…」


サイドの髪の毛を少し残すとイイ…っと。

ジュンさんの手元をじぃーと凝視して、必死に覚えていれば、チャチャッと髪がひとつにまとまった。

“ゆるふわポニーテール”だそうで、いつもよりもオシャレに見える。


「ジュンさん、ありがとうございました」

「いいえー。また来てね」


「はい」と頷いて美容院を出れば、風がポニーテールを揺らした。


今日はこの後一度家に帰って、それから遥斗くんのお家にお邪魔する予定だ。

まだひとり暮らしが続く彼と一緒に夜ご飯を食べる約束をしてある。

ついでに宿題もしようという話にもなっているから、頑張らないといけない。