「わぁ…」
「おーっ!すっご…」


そこには、無数の星たちが点々と輝いていた。

「きれい…」と思わず声がもれてしまう。

こんな綺麗な星空初めて見た。

目が離せないでいたら、「あっ!」と遥斗くんが声を上げた。


「見て。あっち。月が綺麗だね」

「ほんとだ」


彼の指差す方を見たら、小さなお月様がポンッと出ていた。

神秘的で本当に綺麗…って。


「遥斗くん…意味わかってる……?」

「意味?」


首を傾げる彼に、笑みがこぼれる。

つい聞いてしまったけど、よかった。

遥斗くんが意味を知っていたら、返しに困っちゃうだろうから。


「…なんでもない」

「えっ、なに、気になる」

「あっ」


彼の斜め上、頭上でキラリと何かが光った気がした。

もしかして。


「今の流れ星かもっ…」


次は私が空を指差す。
だけど。


「話逸らした?」


きゅっと繋がれていた指先に力が加わって、顔が近づく。

ムッと唇を尖らせた彼と目が合った。


「…逸らしてないよ?」


俯いて視線を逸らす。