「や、うそうそ。全然いいよ。俺も嬉しいし」

「う、うん…あのね、星を一緒に見たいな…と思って」


言い訳を並べるように口を動かす。

遥斗くんが「へぇ、星。いいね、見に行こ」と頷いてくれて、安堵のため息を小さくもらした。


ドキドキ。ソワソワ。

胸の中に騒がしさを感じながら、遥斗くんと並んで歩き出す。


「…リカちゃんにね、教えてもらって」

「あー、そういえばバーベキューの時喋ってたっけ?仲良いの?」

「仲良い…かはわからないけど、リカちゃんがすごくフレンドリーに話してくれて。今日、ちょっと仲良くなった…かな」

「そうなんだ」


チラチラと遥斗くんとふたりして周りを警戒する。

ウィンと開くドアをささっと抜ければ、乾いた風を感じた。


「思ってたより簡単に出れたね」

「うん。もし従業員の人に何か言われたら『落とし物したか飲み物買いに来た』…って言えばいいよって、リカちゃんから助言受けたけど、使わなかったね」

「なるほど」


クスクスと遥斗くんが笑みをこぼした。