この前は嫉妬しちゃってごめんなさい…と、口には出せなくて心の中で謝りながら、彼女の話を聞いていたら。

『流れ星彼氏と見ちゃいなよ?』といたずらっぽく笑われてしまった。

それに気付いたら頷いてて、勢いのまま遥斗くんを誘っていた。

なんだか、すごく大胆なことをしていると思う。

けれど、それ以上に遥斗くんと一緒にいたい気持ちが勝ってしまう。

これは林間学校マジックだから!

ここ2日間でよく耳にするその言葉を唱えていたら、エレベーターのドアが開く。


「あ、衣織ちゃん…」


降りてすぐのところに遥斗くんが立っていた。


「ごめんね、遥斗くん。大丈夫…?」


色々と…。そんな意味を込めて聞けば、いつもと同じ笑顔が返ってくる。


「大丈夫だよ。まさか衣織ちゃんから抜け出さない?って言われるとは思ってなかったけど」

「うっ。そ、それは…ごめん…」 

「…結構悪い子、だね?」

「…っ」


口の端を持ち上げて囁かれた言葉に、ドキッと心臓が大きく反応した。