「遥斗、目開いてないぞー」

「ん?あー、眩しいなぁと思って…」

「あっそう」


真顔で受け流す夏生をチラッと見て、視線を再びもとに戻す。


林間学校2日目。天気は晴れ。
現在、18:05。

バーベキューが始まって、誰も彼もがなんだかんだで楽しそうにしている。

その中で一際目を引くのが衣織ちゃんだ。

髪の毛をひとつに纏めて、Tシャツの袖から覗く細い腕を動かす。

トントントン…と遠くからでも分かる手際の良さ。

彼女の手元には次々と玉ねぎの輪切りが完成されていく。


今日も衣織ちゃんがかわいかったです。

と、林間学校のしおりに書きたいけど、出来ないから心に留めておこう。


…それにしても、あの笑顔。

眩しすぎて太陽は沈んでしまった。


「はるとー」

絶賛火起こし中の俺を、どこからかやってきた和田が呼ぶ。


「ん?」

「そういや、伝えてなかったわ」

「なにが?」

「それがさー」



キョロキョロと周りを見て和田は俺に顔を寄せる。