「で、衣織告白でもされたの?」

「え…」


点呼が終わり、先生に「おやすみなさい」と告げ、3人で1つのベッドに集まった瞬間。

未緒に顔を覗き込まれた。


「さっきの。A組の子だっけ?」


まりやも私を見る。


「…うん。A組の川島くんって言ってた…」

「へー」

「こ、断ったよ…」

「うん。衣織、遥斗くんしか興味ないもんね?」

「それはそうだね」



…その通りです。

頷いてから、「ふたりは…?」と丸投げの質問をしてしまう。


「あたし話すことないよ?」


まりやが困ったように口を開く。


「夏生くんと話したりしてないの?」


未緒が核心をついて、内心ヒヤリとした。


「うん。全然喋んない。喋ったとしても、すっごい冷たいし。それが答えだね。…はい、次、未緒!なんかあった?」


まりやはあっさりとそう言い切って、未緒に会話のバトンを渡す。


「あー…なんかデートする」

「デート?誰と?」


私とまりやが首を傾げれば、未緒は「D組の水瀬くん」ってポツリとこぼした。


「えっ!」「うそ…」


「ほんと…。や、私も結構驚いてて」

「いつの間にそんなことに…?」


出てきた隼人の名前に驚いて、前のめりで未緒に聞いてしまう。