遥斗くんと少しずつ近づけている気がしたけど、そんなことは無かったのかもしれない。

恋人になったからと言って、大きく変わったことはないし…。

うーん…。と葛藤して1週間。


部屋のベットでゴロゴロ転がっていれば、ゴツンと壁に頭をぶつけてしまった。

「いた…」と起き上がって、洗面所に向かう。

我慢大会をしているわけではないけれど、クーラーは付けていない。

だから暑くて、何にもしていなくても汗がタラリと流れ落ちる。

ささっとシャワーを浴びて、制服に着替えた。


…よし、学校に行こう。

外に出ればカラッと晴れていて、せっかくのシャワーが台無しになってしまう。

首に髪の毛が張り付く感覚に、結んでくればよかったと思った。


…遥斗くんは、今ごろクーラーの効いた第二視聴覚室にいるのかな。

真剣に問題を解く表情と、リカちゃんと楽しそうに話していた顔が交互にチラつく。


はやく会いたい。

その気持ちに急かされるように、早足になる。