きみのへたっぴな溺愛

「じゃあ視聴覚室の前通っていこ」

「うん。補習ってどんな感じなんだろ?」

「ね、何人くらいいるんだろうね?」



話を続ける未緒とまりやの方が、補習に興味を示していて笑ってしまう。

ローファーに履き替えて、昇降口を出る。



「あ、カーテン閉まってないね」


未緒が目的の第二視聴覚室の方を指差す。


「本当だね」



遥斗くん頑張ってるかな?

…と考えながら、体は少しずつ第二視聴覚室に近づいていく。

下校する生徒や部活に向かう生徒が多いなか、私たち3人は足を止めた。


「どう?見える?」

「いた?」


窓から少し離れた場所で、第二視聴覚室の中を覗く。


「あっ、いた」


遥斗くんだ!

と嬉しくなったのも、一瞬。

ズキっと胸の奥が握りつぶされたように、苦しくなる。


「まだ始まってないみたいだね」


未緒の言葉の通り、パッと見て補習は始まっていないとわかる。

先生が見当たらないし、中にいる人たちは机に突っ伏していたり、お話している。

…遥斗くんもその内のひとり。